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 ニルスの暗号通貨日記

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02.アルトコイン Ardor

ARDOR(アルドゥール)―ビジネスサービスとしてのスケーラブルなブロックチェーン

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ARDOR(アルドゥール)―ビジネスサービスとしてのスケーラブルなブロックチェーン

ARDOR(アルドゥール)―ビジネスサービスとしてのスケーラブルなブロックチェーン

皆さんこんにちは、ニルスです。

今回は久しぶりに個別銘柄記事となります。

取り上げるのはARDOR(アルドゥール)です。Nxt2.0と位置づけられたプロジェクトであるArdorにはどんな特徴があるのか、どんな用途を想定しているのかについて見ていきたいと思います。

※ちなみに読み方はアーダーじゃなくてアルドゥールだそうです。

 

ビジネスサービスとしてのブロックチェーン

Ardorは企業や組織がブロックチェーンを使用するためのBaaS(Blockchain as a Service)としてのプラットフォームです。

ブロックチェーンの、ビジネス(エンタープライズ)での使用をターゲットに想定している点は、以前記事にしたStratisAeternityと似ているかもしれません。

ArdorはNxtを元にしており、もともとNxt2.0と位置づけられたプロジェクトです(ArdourにはNxtのほぼ全ての機能と、追加機能が含まれています)。

つまり、Ardorを知るためにはまず、Nxtについて見ていく必要があるでしょう。

 

Nxtについてざっくり

Nxtは2013年にスタートしたプロジェクトです。現存する暗号通貨プロジェクトの中ではかなりの古参ですね。Bitcoinのコードのコピーやフォークではなく、コードを一から造った最初期のプロジェクトの一つだったようです(ソースコードはJavaで書かれています)。

そして、Proof of Stake(PoS)を実装した最初期のブロックチェーンでもありました(ちなみに初めてPoSを採用したのはPeercoinであると言われています)。

企業や組織が独自のブロックチェーンを実装したり、ソースコードをコピー・編集したり、Nxt上に新しいコイン(トークン)を作成したりといったビジネスソリューションを提供することがNxtの目的でした。

実は、当サイトでさんざん取り上げているWavesもNxtから派生したプロジェクトです。トークン作成機能などはNxt時代からあったものなのです。

優れた開発チームを持ち、息の長いプロジェクトであったNxtもしかし、幾つかの問題を抱えていました。

そのひとつが、ブロックチェーンの肥大化です。
Nxtを含むほとんどのブロックチェーン技術には、このブロックチェーンの肥大化問題を抱えています。この問題は、フルノードを操作するためにブロックチェーンの全履歴をダウンロードする必要があることに起因します。トランザクションの情報が蓄積されていくにつれて、フルノードを動作させるためのストレージ要件がどんどん増加していきます。現状でさえ数百ギガのトランザクションデータをダウンロードする必要のあるものが少なくなく、時間が経ち取引が増えるほどさらにこの容量は増加していきます。

そして、ユーザーたちが、メインチェーンのトークン保有が必須な点です。
これはEthereumやWavesといったプラットフォーム系のプロジェクトの多くが抱えるジレンマだと思います。プラットフォーム内の子プロジェクトにメイントークンを手数料として使わせることは、トークン価値の担保には必要なことのようにも思えます。
しかし子チェーンを実装しようという際、子チェーンのユーザーたちまで親チェーンのトークンが必須となると、なかなかハードルが高くなってしまうことも事実でしょう。実際Wavesでも「簡単にトークンを発行できるのは良いんだけど、それを送ったり売ったりするのにWavesが必要なのがちょっと不便」という意見はよく見聞きします。

そしてスケーラビティの問題です。
これはEthereumAeternityの記事でも触れていますが、1秒間に処理できるトランザクション数には限界があり、Nxtのメインブロックチェーンはそのまま大企業レベルのトランザクション処理に耐えられるものではありません。
Nxtブロックチェーンのクローン(複製)をプライベートチェーンとして提供する機能がありましたが、これはこれで、カスタマイズされたシステムの構築・維持・メンテナンスにはかなりのサポートコストが発生していました。

 

Ardorの問題解決手法―チャイルドチェーン

上記のようにNxtプロジェクトが進むに従って様々な問題が浮き彫りになってきました。

そこでArdorが採用したのが「チャイルドチェーン(子チェーン)」という解決手段です。

似たような名前のものに「サイドチェーン」があります。
いわゆるサイドチェーンでは、トランザクションの承認をサイドチェーン内で行います。
対してArdorのチャイルドチェーンでは、チェーン内のトランザクションを指定されたアカウントが一定周期で束ね(BUNDLING)、それをメインチェーンが承認します。

child-chain

Ardorはメインブロックチェーンと複数のチャイルドブロックチェーンで動作します。

メインチェーンではARDRトークンのやり取りと、子チェーンのトランザクション処理にのみ用いられます。

チャイルドチェーンはNxtでサポートされていた全機能と、新たなカスタマイズ機能を持っています。トークンの発行などもチャイルドチェーンで行えます(後述)。

ブロックチェーンとしてのインフラ部分をArdorのメインチェーンに依存し、オプションの有効化の有無、ユースケース毎のカスタムなどを子チェーン部分で制御することで、企業や組織が容易にブロックチェーン技術の恩恵を受けられる構造となっているわけです

すべての子チェーンは親チェーンであるArdorブロックチェーンのセキュリティの恩恵を受け、また子チェーンのユーザーたちは取引や機能の利用のためにARDRトークンを保有する必要はありません。

エイリアスやデータクラウド、アカウントのアクセス権管理やマーケットプレイス機能など、拡張性が高くビジネス用途に便利な機能が多数あります。これらはNxtにもありましたが、Ardorでは機能のほとんどを子チェーンに移すことでメインチェーンの軽量化を図っています。

Ardorの新機能のひとつであるCoin Exchangeでは、子チェーンのコイン同士、また親チェーンコイン(ARDR)と取引することができます。

こちらに公式の提供するNxtとArdorの比較表がありますが、やはりArdorはNxtの完全に上位互換である印象です。

 

Ignis(イグニス)―Ardorの最初のチャイルドチェーン

ignis

Ignis(イグニス)は、Ardorでの最初のチャイルドチェーンです。
Nxt、Ardor同様、Jeluridaという企業が発行・開発元となっています。

Ignis operates the entire feature list of the current NXT blockchain and demonstrates how a child chain can be used for multiple use cases for enterprise and small businesses.

Ignisは、現在のNXTブロックチェーンの機能リスト全体を操作し、エンタープライズおよびスモールビジネスの複数のユースケースにどのように子チェーンを使用できるかを示します。

https://www.ardorplatform.org/node/880

ということで、ArdorがNxtから引き継いだ種々の機能を担うとともに、Ardorのチャイルドチェーンがどのように機能するかを示すモデルケースのような位置づけとなっているのでしょう。

 

Ardorの懸念点

まず第一に「子チェーンの取引にARDRが不要」である点です。より採用されやすい形態であることは間違いありませんが、ARDR自体のコインとしての価値はいかに確保されるのか、という点がやや弱いように思えました。
もちろん、Bandlingを行う管理者がメインチェーンとの相互取引の際に必要、Ardorプラットフォームの一部としてのセキュアなネットワーク維持、ステーク報酬を得るため等々色々と動機付け等々、必要なケースはあるので、Ardorがプラットフォームとして広まる前提であれば、ARDRがまったく無価値になるということはないはずです。この点については再度調べてみたいと思います。

また様々な特徴を持ったプロジェクトがエンタープライズ用途での採用を目指しており、Microsoft、Baidu等既存の企業も含めた競合が多い点も懸念点の一つです。パートナーシップが結ばれたり技術採用があれば良いですが、大企業の動きは特に注視した方が良いでしょう。

そして、Nxtの頃から考えれば相当長く続いているプロジェクトですが、イマイチ認知度が低い点は否めません。ある程度のプロダクトが出てから、ということなのかもしれませんが、いずれにせよもう少し周知は必要な気がします。マーケティング面が課題に感じます。

 

Ardorまとめ

Nxt、Ardor、Ignisの関係性が複雑なため、なかなか記事としてまとめることを避けていたのですが笑、なんとかまとめまで持ってくることができました。

最後に、ご参考までに既存のプロジェクトとの比較とした vs.シリーズ の記事を公式マガジンにて見つけましたのでご紹介します。

2018年3月1日現在、

Ardor vs. Plasma
Ardor vs. the Competition, Pt. 1: Lisk
Ardor vs. the Competition, Pt. 2: NEM/Mijin/Catapult
Ardor vs. the Competition, Pt. 3: IOTA
Ardor vs. the Competition, Pt. 4: Waves
Ardor vs. the Competition, Pt. 5: Stratis
Ardor vs. the Competition, Pt. 6: Komodo/SuperNET
Ardor vs. the Competition, Pt. 7: Ethereum

の計8記事が出ています。

単に相対するプロジェクトをこき下ろすのではなく、評価すべき点は評価し、機能などの比較を行っている点で非常に参考になります。
ご興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね。

さて、Ardorがプラットフォームだと聞いて、多くの方はこう思ったのではないでしょうか。

スマートコントラクトは実装しないの?

Ethereumはもちろん、NEOにも実装がされており、WavesやLiskも実装を予定しています。

これだけ歴史的に先行しているプロジェクトがスマートコントラクトの実装を予定すらしていないのはなぜでしょうか。

この点について、非常に印象的だった一文をご紹介します。

my favorite is that they are like Legos, while smart contracts are like clay

スマートコントラクトは粘土のようなものですが、私のお気に入りはレゴのようなものです

https://www.nxter.org/ardor-vs-competition-pt-7-ethereum-smart-contracts/

要は、ビジネス用途で必要なものは既に子チェーンのオプションとしてあらかた実装してあるし、今後もオプションとして組み込んでいくよ。というスタンスのようです。

自由度が高すぎるゆえに高い技術力が要求されるものより、パッケージ化された機能を提供するという方針なのかもしれません

やはり、「ビジネスのためのブロックチェーン」を徹底しているように感じました。

年始にメインチェーンが動き出したばかりのプロジェクトですし、今後がかなり楽しみです。
というかこの記事を書き始めるまで1ARDRも持っていなかったのですが、調べているうちにこれいいなぁ! となって思わずちょっと買っちゃいました笑
今年伸びてくれたら嬉しいです。

というわけで今回はArdorの記事でした。
少しでもご参考になれば幸いです。
ではまた!

 


参考リンク:

https://www.ardorplatform.org/

https://www.jelurida.com/

https://www.reddit.com/r/Ardor/comments/7r9qin/what_is_needed_for_ardor/
https://www.reddit.com/r/Ardor/comments/7js0ig/what_value_do_ardr_coins_have/

https://themerkle.com/what-is-ardor/

https://coincentral.com/what-is-ardor-blockchain-as-a-service-explained/

https://captainaltcoin.com/what-is-ardor-coin/

https://themerkle.com/baidu-unveils-its-new-blockchain-as-a-service-platform/

https://www.zerohedge.com/news/2017-12-19/when-it-comes-secure-networks-ethereum-isn%E2%80%99t-only-game-town

https://www.investing.com/analysis/ethereum-might-be-a-victim-of-its-own-success-keep-an-eye-on-these-4-alternatives-200274471

https://www.cio.com/article/3243270/e-commerce/the-rise-of-blockchain-as-a-service.html
https://www.newsbtc.com/2017/12/28/blockchain-pumping-life-stale-business-models/

https://www.forbes.com/forbes/welcome/?toURL=https://www.forbes.com/sites/nikolaikuznetsov/2017/12/21/are-new-platforms-threatening-the-hegemony-of-bitcoin-and-ethereum/&refURL=https://www.ardorplatform.org/&referrer=https://www.ardorplatform.org/#52feb42c337d

 

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Author:ニルス

ニルス

二十代後半の貧乏社会人(Twitter:@nils00000)。サイト制作、WEB広告、画像編集などを含む何でも屋事務員(薄給)として真っ黒い会社で働く傍ら、ド文系ながら暗号通貨に興味を持つ。暗号通貨(ビットコイン・アルトコイン)のトレード、クラウドマイニング、セルフマイニングなどを勉強しながら実践中。保有アルトコイン銘柄 $WAVES / $ETH / $XRP / $XMR / $AE / $ETN など。 ※当サイトに掲載しているサービス・銘柄について、利益をお約束するものではございません。また情報の正確性には気を配っておりますが、当サイトの掲載内容について保証は一切致しかねます。必ずご自身で情報をご精査の上ご利用下さい。

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